大型犬に多い病気、注意したい病気は?

大型犬に多い病気、注意したい病気は?

犬の大きさや犬種によって、遺伝子的疾患や体の構造上発症しやすい病気があります。

大型犬の場合、特に運動器系の病気や消化器系、呼吸器系の病気が多いので、それぞれの病気について基本的な知識を身に着け、事前に予防できる病気は予防することが大切です。

大型犬を飼っている方、飼おうとしている方は是非参考にしてください。

 

大型犬に多い運動器系の病気

股関節形成不全

・特徴

大型犬に多く発症する股関節が変形してしまう病気で、大抵は成長期の発育過程で遺伝子的疾患が原因で発症します。

関節部の骨が変形してしまうと「寛骨臼」と「大腿骨」の半球状部分がうまく噛み合わず、関節の動きに支障をきたします。

・症状

跛行(脚を引きずる、上げて歩く)、座るとき横座りになる、歩行時腰が左右に動く、段差を嫌がる、運動したがらないなど

・治療法

内科治療と外科治療があり、犬の年齢や股関節形成不全の度合い、飼い主さんの意向などにより治療法が異なります。

一般的な内科治療では、症状に合わせて抗炎症薬(非ステロイド系)や鎮痛剤の投与が行われ、外科治療では次の3つの方法が一般的です。

1つ目は関節部分を正常に整えるため大腿骨頭切除する「関節形成術」。

2つ目は骨盤にある3つの骨を切除する方法、3つ目は主に痛み緩和のため「恥骨筋」と呼ばれる部分を切除する方法です。

・予防法

遺伝子的疾患の場合は予防策はありませんが、成長期の過度な栄養摂取や運動が原因で股関節形成不全になることがあるので、食事内容や運動量に注意を払うとよいでしょう。

大型犬や超大型犬の場合、股関節への負担軽減のためフローリングなどの滑りやすい床は避け、カーペットやクッションフロアなどを敷くとよいでしょう。

・注意したい犬種

ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、バーニーズ・マウンテンドッグ、セント・バーナード、ニューファンドランド、ジャーマン・シェパードなど

 

前十字靭帯断裂

・特徴

犬の後肢の膝関節内にある「前十字靭帯」が完全、または部分的に切れてしまう病気で、関節が過度に内側に回転したり伸展した場合に引き起こされます。

 

・症状

主に運動後の跛行(後肢を引きずる、上げて歩く)、歩き方がおかしい、痛みによって運動したがらないなど

・治療法

治療法は保存療法と外科手術の2つで、保存療法では痛み軽減のため非ステロイド性消炎鎮痛剤なとが投与され、自宅での体重管理や運動制限を行います。

外科手術では「関節外制動術」で靭帯の代わりに糸で脛骨と大腿骨を結ぶ方法、または骨自体の形を強制する「強制骨切術」が一般的に施されます。

・予防法

大型犬を中心に体重が重い犬に生じやすい病気のため、肥満対策を行い体重管理を徹底しましょう。

そのほか、股関節への負担軽減のためフローリングなどの滑りやすい床は避け、カーペットやクッションフロアなどを敷く、肉球周辺の毛を定期的にカットするとよいでしょう。

・注意したい犬種

秋田犬、セント・バーナード、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、アメリカン・スタッフォード・シャーテリアなど

 

大型犬に多い消化器系の病気

胃拡張胃捻転症候群

・特徴

ガスが溜まることによって胃が拡張して捻じれてしまう急性の病気で、胸の深い大型犬や超大型犬に多く発症します。

早急に処置をしないとショック状態になり、命を落としてしまう危険性のある恐ろしい病気です。

・症状

吐きたいのに吐けないような仕草、腹部が膨らむ、げっぷを繰り返す、落ち着きがない、よだれを垂らす、呼吸が荒くなるなど

・治療法

まず胃に溜まっているガスを排出するため減圧処置が行われます。

口から胃の内部にチューブを通してガスを排出しますが、暴れて処置できない犬に関しては皮膚から胃の内部に注射器を通してガスを抜きます。

ガスが排出されたら、状況に応じてショック状態の治療や胃を正常位置に戻す外科手術、不整脈が確認されたら抗不整脈剤投与などの処置が行われます。

・予防法

食前食後は運動させず安静にして、食後は大量の水分摂取を控えます。

そのほか、食事回数を増やしたり食事内容の見直しなども大切です。

穀物が多い食事は胃の中で発酵しやすくガスが発生しやすいので、胃拡張胃捻転症候群を発症しやすい犬は避けたほうが良いでしょう。

・注意したい犬種

セント・バーナード、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ラブラドール・レトリーバー・ゴールデン・レトリバー、グレート・デーン、ワイマラナー、、ゴードン・セッター、アイリッシュ・セッター、スタンダード・プードル、ボルゾイなど

 

大型犬に多い循環器の病気

拡張型心筋症

・特徴

心臓の筋肉(心筋)に何かしらの異常が起こり心臓機能が低下してしまう病気が「心筋症」で、そのうち筋肉の収縮力低下が原因で全身に血液を送るための力が弱まったり、心室内腔が拡張してしまったりする病気が「拡張型心筋症(DCM)」です。

犬の心筋症の中では最も多く、初期症状がないことから飼い主さんが気付いたときには重症化していることがあるので注意が必要です。

・症状

初期症状は無症状のことが多く、進行するにつれて元気がなくなる、食欲低下、運動をしたがらない、呼吸が苦しそう、息が荒い、咳など。

肺水腫や不整脈、胸水貯留などを引き起こす危険性がある

・治療法

内科治療として症状に合わせ強心剤、血管拡張薬、利尿薬などの投与が行われます。

・予防法

現段階では予防法はありませんが、特に発症しやすい犬種に関しては早期発見のため定期的な健康診断を受けることが大切です。

・注意したい犬種

セント・バーナード、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、ニューファンドランド、アイリッシユ・ウオルファンド、ドーベルマン、ピンシャー、グレート・デン、ボクサー、コッカー・スパニエルなど

 

まとめ

大型犬が発症しやすい病気についてご紹介いたしましたが、大型犬は遺伝子的疾患として「股関節形成不全」や「心筋症」を発症しやすく、体の構造上「胃拡張胃捻転症候群」や「前十字靭帯断裂」にも注意を払わなければいけません。

いずれの病気も犬のQOL低下を招きやすく、最悪の場合は命を落とす危険性がある病気もあるため、早期発見できるよう普段から定期的な健康診断や愛犬の様子の確認を行いましょう。

何か違和感を感じた時にはすぐ獣医さんに診てもらうように心がけましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です