犬を知る!犬の目・鼻・耳の凄さって?
犬と生活する中で犬の身体について疑問を感じることがあるかと思います。
暗闇の散歩中に犬はどのくらい物が見えているのか?
遠くから呼んでどの程度聞こえているか?
など、犬の五感を中心に犬と暮らしていれば何かしらの疑問を感じることがあるでしょう。
それらの疑問を解明するために、今回は犬の目や鼻、耳についてそれらの凄さを人間と比較しながらご紹介致します。
犬の目の凄さって?
人間より動体視力が優れている
犬の目というと人間より視力が低いことで有名ですが、実は犬の目の凄さには動体視力の良さがあります。
動体視力とは、動いているものを見るための視力ですが、人間の場合は優秀なスポーツ選手の多くがこの動体視力が良いと言われています。
実際のところは、まだまだ犬の目に関しては未知の世界であり分からないことも数多くありますが、基本的には視力で考えると人間の平均裸眼視力が0.5であるのに対して犬の平均裸眼視力は0.2~0.3程度であると言われています。
犬は焦点を合わせるための目の力が弱く、犬の目に映る世界は常にぼやけているような感じです。
しかしながら、動体視力に関してはフリッカー融合頻度を利用した検査(光の点滅を利用してどの程度光の点滅を認識できるかを測る検査)によると、人間が60/秒程度であるのに対して犬の場合は70~80/秒程度であり人間よりも動体視力が優れていることが分かっています。
通常視界に映る光が一定のリズムで点滅した場合、光が点滅していない場面では視界が暗く見えます。
しかし光の点滅は速ければ速いほど点滅間に現れる暗さが認識しづらくなり、すごく速い点滅の場合に光は点滅ではなく継続して光っているように見えます。
速い点滅を見ている時に人間にとって連続した光に見える場合であっても、犬にとってはしっかりと光の点滅を確認できることがあります。
犬の目は暗闇の中でも見える
犬の目の凄さは、動体視力のみならず暗闇でも見えることにあります。
犬はもともと夜行性の生き物であり、暗闇の中で生活してきたため暗闇の中に関しては人の約5倍程度の視力があると言われています。
その秘密は犬の目の内部にある「タペータム」と呼ばれるもので、鏡のように微量の光を反射させることによって網膜部分に光を与えることができるため、暗闇の中でも比較的物が見えるようになっています。
目の視界の広さが凄い
犬はもともと広い敷地で狩りをしたり羊を追いかけたりしてきたので、視界が非常に広いと言われています。
人間で例えると見える視界は個人差もありますが大体180度程度。
それに対して犬の視界は約250~270度程度という広さなのです。
犬の鼻の凄さって?
犬の嗅覚は最大で人の1億倍?
鼻の嗅覚は犬の五感の中で最も優れていると言われており、何と刺激臭であれば敏感な犬だと人の1億倍であるともいわれています。
細かく言うと、犬の嗅覚は人間の約1000倍〜1億倍程度であると言われますがこれは匂いの種類や犬の状態、個体差や鼻の訓練の有無などによっても異なります。
いずれにせよ犬の嗅覚は人間よりも格段に優れていることは確かです。
この犬の嗅覚の凄さの裏には、嗅細胞(匂いを脳に伝えるための細胞)の数と嗅覚受容体(嗅細胞内のGタンパク質結合受容体)の数に秘密があります。
人間の場合は嗅細胞の数が数百万、嗅覚受容体が約350~390種類であるのに対して、犬の場合は嗅細胞の数が約2憶個前後、嗅覚受容体が約870種類前後であると言われており、犬の嗅覚が人間よりも遥かに優れていることが分かります。
犬の耳の凄さって?
遠くの音がよく聞こえる
犬の耳の凄さは遠くの音であってもよく聞こえるということです。
距離で考えると犬は人間に比べて約4倍と億の音が聞こえると言われており、耳を柔軟に動かすことができるのでその音源がどの方向から聞こえるのかを確認できます。
高周波数音がよく聞き取れる
犬の耳の凄さは高周波数音の聞き取り能力が優れているという点にあります。
音は空気が振動することによって聞こえますが、低い音であれば空気中の振動がゆっくりで高い音であれば空気中の振動が速くなります。
この時に高い音である振動の速い音を感じる能力(高周波数音を聞き取る能力)が、人間より犬の方が格段と高いのが特徴です。
個体差はあるものの人間の場合は約20Hz~20000Hz程度であると言われているのに対し、犬の場合は約40Hz~50000Hz程度であると言われています。
たまに犬の躾用品で人間には聞こえない音を利用して躾を行うことができるものがありますが、これはこの高周波数音を利用しています。
まとめ
犬の目、鼻、耳の凄さについて人間と比較しながら幅広くご紹介致しましたが、犬と暮らす中で疑問に感じていたことで新たな発見はありましたか?
実は犬の五感能力についての見解は専門家によっても大きく意見が分かれ、特に犬の視力や嗅覚、聴力については未だに分かっていないこともたくさんあります。
しかし犬は野生界で生き抜くために人とは全くことなった五感能力が必要であったと考えられ、人間とは異なった種類やレベルの能力を持ち合わせていることは確かでしょう。
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