パグは暑さに弱い?暑さに弱い犬種は?

パグは暑さに弱い犬種です。

近年、異常気象の影響なのか日本各地で猛暑が毎年のように訪れます。

地球の温暖化は止まることなく進み、生命を脅かすレベルに達しています。

そんな中、人間のみならず、犬も熱中症になります。

熱中症は命を落とす可能性もある危険なものですから、理解を深めなくてはいけません。

全ての犬種にとって起こり得るものの、特にパグのように暑さに弱い犬種は注意が必要です。

 

今回は暑さに弱い犬種について学んでいきましょう。

 

短頭種とは?

 

パグなどの短頭種と暮らしていくうえで気を付けなくてはいけないのが暑さです。

パグに限った話ではありませんが、短頭種に分類される犬種は暑さに弱く、命に係わる重要事項ですので気を付けて下さい。

短頭種とは、簡単に言うと鼻の低いペチャ顔の犬です。マズル(口吻)が短いということです。

短頭種は室内飼いが絶対条件です。

代表的な犬種は、下記の犬種がいます。

ボストンテリア

見てわかるペチャ顔ですね。

この愛くるしい”ブサカワ”顔が人気で、最近ではCMや広告にもよく出ていますね。

 

この3犬種は分かりやすい短頭主ですが、意外と知られていない短頭種もたくさんいます。

例えば、

チワワ

ヨークシャーテリア

シーズー

ポメラニアン

ペキニーズ

・チャウチャウ

・ボクサー

ちん(狆)

などが含まれます。

特にチワワは意外ですよね。このように実は短頭種犬は少なくないんです。

 

短頭種の歴史は?

もともと犬という生き物に短頭種はいませんでした。

短頭種とは人間が様々な理由からパグのような鼻の低い犬に品種改良をしていったことが起源とされています。

その昔、人間は犬と牛を戦わせて楽しんでいました。

今となってはあってはならないことですが、当時は娯楽の一つで多くの人間が歓喜していたとされています。

その際、少しでも噛みつき易くなるように邪魔な長い鼻を改良していって生まれたのがブルドッグだという説もあるくらいです。

人為的に生まれた犬種ですので、様々な弊害がある犬種になってしまったのも事実です。

詳しい歴史はこちらをご覧ください。

 

なぜ短頭種は暑さに弱いの?

その理由は身体的な部分、この犬種の特徴である鼻の低さにあります。

鼻が低いということは口腔が短い、狭いということになります。

これが暑さに弱い直接の原因なのです。

 

そもそも、犬の汗線は非常に少なく、肉球と鼻にしか無いとされています。

これの何が良くないのかというと、汗は体温を下げる為に出るものです。

その汗をかけないということは、体温が下がらないということに直結します。

熱いものに冷たいものを当てると熱交換が起こり、熱いものが冷えるという原理です。

それが出来なければ、体内に熱が溜まり、熱中症になってしまい命の危険にさらされるのです。

 

そこでパグなどの短頭種は舌を出して『ハァ、ハァ』と呼吸をする、”パンティング”と言われる呼吸法をとっています。

パンティングとは口を開け舌を出し、早く浅く呼吸することで唾液を蒸発させ、その気化熱によって体温を下げているのです。

その方法は面積が広ければ広いだけ、多くの気化熱が生まれ、体温を下げることが出来ます。

 

そうです。

もうお分かりだと思いますが、長頭種と比べて、口腔が短く、面積が狭い短頭種は気化熱が発生しづらく暑さに弱いのです。

 

さらに、それに追い打ちをかけるかのように、短頭種の多くは小型犬~中型犬で短足です。

散歩などをする際、地熱(地面からの熱)も体に受けやすく、体温が短時間で上がってしまいます。

近年は温暖化の影響もあり、真夏の炎天下では40度を超えたりもします。

地熱、反射熱なども熱中症になる十分な要因になります。

 

このように複数の要因から暑さに弱いので十分注意が必要です。

 

暑さ対策は?

季節問わず、室内飼いが絶対条件の短頭種ですが、理想の気温・室温は22~26度くらいで人間と同じくらいが快適な温度です。

夏に関しては、エアコンをはじめとする冷房機器を多用しましょう。

人間にはまだ耐えられる30度くらいの温度もパグのような短頭種には危険です。

自分が大丈夫だからといって甘く考えてはいけません。

とにかく風通しを良くし、出来る限り適温に近づけましょう。

 

体温が下がるので水遊びをさせるのも良いでしょう。

散歩や外に出してあげる場合は、早朝や日没後など涼しい時間に限定したほうが良いです。

極力、日光を浴びないように日陰の多い道を散歩しましょう。

水をこまめに取らせてあげることも重要です。

冬は逆に日光を浴びながら散歩したほうが良いので、季節に合わせて散歩コースを変えるのも大事なことです。

 

一日の気温が一定であることは少なく、気温の変化には注意が必要です。

飼い主である人間の外出の際には特に注意が必要で、普通は防犯上、窓は開けず施錠するはずです。

朝方、涼しいからといってそのまま外出してしまうと、昼になるにつれ室温がどんどん上がり50度近くまで達してしまうことも。

人間でも命の危険がある温度ですから、パグには致命的です。

「少しの時間だけだから」とか「すぐ近所までだから」など甘く考えず、暑い日はパグの為にちゃんと冷房を付けていってあげましょう。

とにかくパグにとって万全な環境づくりを心掛けましょう。

 

熱中症の症状は?

初期症状としては以下に挙げられるような症状があります。

・息苦しそうに呼吸している

・涎を大量に垂らしている

・嘔吐している

・下痢をしている

・目が充血している

・目が虚ろ

・ふらつく

・座り込んで動かない

 

初期症状が進み、さらに悪化すると、

・全身が震えている

・呼びかけに反応しない

・気を失った

・吐血、血尿

などの症状が出ます。

ここで動物病院に駆け込んでも遅いので、初期症状が見られる時はもちろんのこと、普段と少しでも違う様子だったら病院に行きましょう。

人間と同じで、パグも熱中症の治療は時間との勝負です。

早期治療が生死を分ける可能性があります。

よく観察をすることが大事です。

 

熱中症の応急処置は?

とにかく熱中症の疑いがある場合は、病院に連れていきましょう。

それが絶対にしなくてはいけない事ですが、病院に行くまでの車中などで少しでも回復させるには、体を冷やす以外にやるべき事はありません。

人間の熱中症の際の応急処置と基本的には同じですので、焦らず的確に行いましょう。

涼しい場所に連れていく。屋外はNG。

濡れたタオルなどで顔や体を拭いてあげ、扇風機やうちわなどで風をあてる。

氷を入れた袋を脇の下や首など体にあててあげる

このように人間に対する処置とかわりません。

あくまで病院に連れていく為の応急処置であることを認識しましょう。

 

病院での処置は?入院はする?

点滴をメインに獣医が状態にあった適切な処置を施してくれます。

仮に容態が良くなり元気な感じがしたとしても油断は禁物です。

内臓にダメージがあった場合、家に帰って遅れて症状が出る場合もあるので、特別な理由が無ければ病院に預けましょう。

獣医の先生の指示を仰ぎましょう。

 

まとめ

熱中症はパグなどの短頭種に限らずどの犬種にも起こる病気です。

その中でも短頭種は特に注意が必要なので、知識を深めておく必要があります。

命に係わる重大な病気ではありますが、飼い主様の対策や工夫で十分に防ぐことが出来ます。

近年の暑さは、室内犬もそうですが、屋外犬も気を付けなくてはなりません。

暑さに弱くない犬種だからと言って外に出しっぱなしにするのは危険です。

犬小屋以外にも大きな日陰を作ってあげたり、気温に応じて室内に入れてあげましょう。

ご自分の判断ではなく、動物病院に連れていく事が大事なことですが、

一番大事なことは熱中症にならないように環境造りをしてあげる事だと思います。

ペットではなく、家族であるという事を再認識することが大事なことです。

 

 

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