絶滅の危機にある日本テリアの歴史や飼い方、特徴など
まるでマスクをかぶっているかのようなユニークな外見と華奢な体形がインパクトのある日本テリアは列記とした日本犬です。
貴重な日本原産の1種で、日本原産の犬種としては唯一の”テリア”となります。
日本犬らしさをまるで感じられないと言われてしまうこともありますが、その歴史はとても古くから続いています。
しかし近年は洋犬人気に押され、頭数は激減し絶滅を心配する声もあがるほどです。
日本原産の貴重な犬種である、日本テリアの魅力に改めて注目してみましょう。
日本テリアの歴史や飼い方、特徴などをまとめてみました。
これも日本犬!驚きの日本テリアはどんな犬?
日本テリアと聞くと洋風な名前からどんな犬を想像しますか?
特徴を見ていきましょう。
被毛
日本テリアは頭部が真っ黒な被毛で覆われているスムースコートの日本犬です。
体格
血統証発行団体であるJKCによるとサイズは、
体高 牡牝とも約30~33cm
と定められています。
体重の規定はありませんが、目安では、
体重:約 4~5 kg
ほどです。
チワワよりも大きく、プードルよりも小さいというイメージが近いでしょう。
カラー
毛色は頭部がブラック、タン、ホワイトの3色で、ボディはホワイトにブラック・スポット、ブラック・マーキングまたはタン・マーキングと定められています。
この犬種の特徴である頭部の毛色はドッグショーなどでも厳しく審査されるポイントです。
性格
性格はとてもはつらつしていて、機敏なタイプです。
よく似た外見を持つピンシャーなどに似ています。
ただ攻撃性はなく、とても友好的な面をもっています。
日本テリアの歴史は想像以上に古い
日本テリアは1700年代にオランダから長崎に渡来したスムース・フォックス・テリアを祖として生まれました。
そのため日本犬という名前がついているものの元来の日本犬とはまるで異なる風貌をしています。
元来の日本犬は屋外で番犬をしたり、狩猟に出かける事を役目としていたこと、生活拠点は屋外であり、厳しい暑さ寒さにも耐える事が求められていました。
しかし日本テリアは富裕層のペットとして暮らすこと、抱っこをしたり、膝の上にのせてかわいがることを前提に作られたので、スムースコートであり、小柄で華奢な体形に収まったのです。
元祖となったスムース・フォックス・テリアをもとに日本で改良したことで日本固有の犬種として確立されたのもこの頃です。
当時は大変貴重な存在であったことから「お雪テリア」「“ミカド・テリア」と呼ばれていたほどです。
神戸や横浜などの港町で飼育されることが多く、商売の品として、看板犬として人気を博していたそうです。
その後昭和の初めごろになると一大ブームが起き、飼育頭数も急増します。
しかしその後の戦争という歴史を経て、飼育頭数は激減し、室内で飼う小型犬は影を潜め、一時は絶滅の危機に直面します。
1990年代になり、小型犬ブームのさなかにその希少さから注目を集めたものの、すでに飼育頭数が激減していたことからニーズにこたえることが出来ずに終わっています。
現在は一部の愛好家が飼育、繁殖を続けているものの、絶滅の危機からは離れてはいません。
貴重な犬種の1つとなっています。
日本テリアの健康管理
日本テリアは歴史の古い犬種で、特有の先天性疾患を持つ傾向はありません。
しかしスムースコートであることから寒さに敏感な面があります。
日ごろは適度に洋服を活用してあげましょう。
また子犬やシニア犬は特に寒さによるダメージを受けやすいので、専用のヒーターを常備しておくと安心です。
日本テリアに限らず、多くの犬が食物性アレルギーを抱えています。
スムースコートの場合、痒みに任せて体を掻くことで、皮膚に無数の傷が出来ることがあるので、日ごろから注意が必要です。
日本テリアに必要な運動
日本テリアは小柄で繊細な骨格を持ってはいるものの、テリア種の血統が色濃くみられ、性格は活発です。
長時間の継続した運動は不向きですが、日々適度な運動は心掛けてあげましょう。
とても遊び好きな面があるので、室内でもボール遊びや知育玩具を使った遊びを取り入れてあげましょう。
ドッグランへ出かける時は、他犬との衝突などで怪我を負う事の無いように常に目を配り、安全に配慮しましょう。
日本テリアとの生活で注意すべきこと
日本テリアはとても骨格が細く繊細です。
骨の厚みはわずか数mmしかありません。
そのため思いもよらぬ場面で骨折をすることもあるので、くれぐれも注意が必要です。
小さな子供がいる家庭では、抱っこに特に注意しましょう。
また活発な性格ゆえに階段や歩道橋も難なく昇降しますが、下降する際に前足に体重の数倍もの負荷がかかる事は知っておきましょう。
若く健康なうちはさほど支障を感じませんが、加齢とともに関節に痛みが出ることもあります。
室内で危険と感じる場所、出入りを禁止したい場所にはペット用ゲートを設置しておくと安心です。
まとめ
日本テリアは今、絶滅の危機に瀕しています。
かといって無理な繁殖はすべきではありませんが、せっかく誕生した日本固有の犬種ですから、ぜひその存在は知っておいてあげましょう。
あまりにも希少な犬種ですから偶然出会うことは難しいでしょう。
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