犬を知る!人を支える犬とは?(警察犬や盲導犬、麻薬探知犬など)
犬というと家庭犬として大切にされているペットを思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、実はその裏で人を支えるために過酷な訓練を受けて働いている「使役犬」も数多くいます。
人を支えるために仕事をする犬を「職業犬」と呼ぶこともありますが、人が豊かに暮らすためにこれらの犬が日々一生懸命働いているということを決して忘れてはいけません。
今回は、人を支える犬である「使役犬」について警察犬、盲導犬、麻薬探知犬の3種類の仕事内容をご紹介致します。
犬の凄さを知り、そして我々人間が助けられていることをよく考えてみましょう。
人を支える警察犬ってどんな犬?
警察犬とは?
人を支える警察犬とは、名前の通り警察の仕事をサポートするための犬ですが、何と大昔である19世紀末に既に警察犬が存在していたと言われています。
犬が警察犬として初めて使われたのは、ドイツのヒルデスハイム市警で、日本に関しては1912年にコリー犬が初めて警察犬として使われました。
警察犬は主に「直轄警察犬」と「嘱託警察犬」の2種類があり、
- 「直轄警察犬」については警察が直接管理している警察犬
- 「嘱託警察犬」は警察が犬を管理せずに一般の人が飼いながら訓練している犬
です。
警察犬の仕事
警察犬の主な仕事内容は、犯罪が起こった際の犯人逮捕のための「足跡追及活動」と呼ばれるもので、人間にはない非常に鋭い犬の嗅覚を利用して犯人を捜します。
この際、犯人の所有物や触れた物の匂いを犬に嗅がせることによって犬が犯人を追跡して人の仕事を支えています。
その他にも警察犬は、
「臭気選別活動」を行い犯罪現場に残った遺留品や犯人が残した匂いなどの犯人手掛かりとなり得るものの匂いを嗅いで、容疑者が犯人であるかを判断する手助けを行います。
また「捜索活動」によって遭難や迷子などで行方不明になっている人たちを発見したりするための手助けをしています。
警察犬はその優れた嗅覚で、事件・災害を問わず、多くの場面で人命を助けています。
主な警察犬
公益社団法人・日本警察犬協会が指定犬種としているのは以下の全6種です。
- エアデールテリア
- ボクサー
- コリー
- ドーベルマン
- ドイツシェパード
人を支える盲導犬ってどんな犬?
盲導犬とは?
直接的に人を支える犬というとやはり盲導犬を思い浮かべる方が多いと思いますが、盲導犬は主に目の見えない人や見えにくい人たちの生活のサポートを行う犬です。
盲導犬が誕生した歴史については詳しくは分かっていませんが、紀元前一世紀の大昔のイタリアで目の不自由な人と犬が歩いている姿の絵が壁に描かれていたことから、この時代から盲導犬が人を支えていたのではないかと言われています。
日本では、アメリカ人によって1938年に盲導犬が日本に連れてこられたことが理由で盲導犬についての認識が広まり始め、日本盲導犬協会が正式に設立されたのが1967年です。
視力に障害のある方の『目』になる盲導犬は、非常に高い能力を求められ、選ばれし犬なのです。
盲導犬の仕事
盲導犬の主な仕事は目が不自由な人の歩行を支えることで、
- 歩行時に角があることを人に教える
- 段差があることを教える
- 障害物があることを教える
という3点を中心に人の歩行を支えており、訓練内容によってはこれら3点に加えて歩行時の目的場所(近くにあるドアなど)を人に教えてくれる犬もいます。
盲導犬というと、人が行きたい場所である目的地まで案内して歩いてくれると勘違いする人がいますが、そこまでの仕事は盲導犬にはできません。
目が見えない人であっても目的地までの道のりは自分の頭で思い浮かべて歩くため、盲導犬はあくまで曲がり角があることや段差があることなど、歩行する上で何かしらの障害があるときに人に知らせることが仕事です。
主な盲導犬
- ラブラドールレトリーバー(なんと全盲導犬の約90%を占めている)
- ドイツシェパード
人を支える麻薬探知犬ってどんな犬?
麻薬探知犬とは?
麻薬探知犬とは、犬の鋭い嗅覚を利用して主に麻薬の密輸入を探知する犬で、厳しい訓練を受けて高度な認定試験に合格している犬が対象となります。
警察犬や盲導犬と比較すると歴史的には新しい使役犬で、1979年にはじめて日本(成田空港)でアメリカから連れてこられた2頭の麻薬探知犬が活躍したと言われています。
麻薬探知犬の仕事
麻薬探知犬は、犬の嗅覚を最大限に活用する訓練を受けて麻薬に含まれるほんの僅かな香りをかぎ分けて見つけ出すことによって、麻薬犯罪の取締に関する仕事をサポートする犬です。
主に空港の税関や国際郵便局、港などの海外からの物流がある場面で活躍する犬であり、麻薬の入った物を嗅ぎ当てて人に知らせてくれます。
主な麻薬探知犬
- シェパード
まとめ
人を支える犬「使役犬」について、警察犬や盲導犬、麻薬探知犬などの代表的な犬についてご紹介致しましたが、大昔から犬は人や人の生活を支えるために多くの仕事をしてきました。
現代では、犬は家族の一員でありペットとして飼われる時代になりましたが、
今回ご紹介させていただいた3種の使役犬以外にも、
- 爆発物探知犬
- 猟犬
- 牧羊犬
- 害獣駆除犬
- 聴導犬
- 災害救助犬
- 介助犬
- セラピードッグ
など、多くの犬が働くことによって人は支えられています。
昔も今も犬は人の生活を豊か、また安全にするためになくてはならない存在です。
これらの使役犬が過酷な試練を切り抜けて活動したり、時に命を落としたりしてまで仕事をしてくれているからこそ人間の今の生活があることを人々は決して忘れてはいけません。
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